※写真はイメージです (GettyImages)
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 超高齢化時代に突入し、その地域で安心して暮らし続けられるのか。そこで今回、将来の担い手である若い世帯や子どもが誕生して“生き残れる”市区町村ランキング100を独自集計した。がんや心疾患で亡くなる人が少なく“大往生”しやすい自治体もまとめた。

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 少子高齢化の加速は、地域の人口構成をがらりと変え、活力を失うばかりか、将来的な行政サービスの存続すらも危うい。だからこそ逆に、若い世帯や子どもたち、つまり「将来世代」が増えている自治体はどこか。

 本誌編集部はそれを探るため、総務省統計局による全国1741市区町村のデータをもとに独自に集計した。まずは、死亡者に対して生まれる人が多い割合をはじき出した。参考までに、この割合を10年前(2009年度)とも比べてある。

 上位で目立つのは、離島や東京都心部だった。 

1位は東京都小笠原村の2.556。人口約2600人の島では「出生数は毎年そんなに大きく変わらない」(村担当者)。11年には世界自然遺産に登録。観光業に携わる人も目立ち、移住する若い世代も少なくない。島のため高齢化が進むイメージもあるが、都内の市区町村で、平均年齢40歳前後という若さはトップ級だ。

 2位も離島の沖縄県北大東村。「“Iターン”や“Uターン”によって19年度は出生数が例年に比べ多かった」(村担当者)というが、「そもそも死亡数が少ない」(同)事情もある。島に老人ホームなどがなく、入所したい人は島外へ出て住民票も移してしまうのだ。3位は沖縄県南風原町。那覇市に隣接のベッドタウンとして人が増える。

 4位は東京都中央区。10年前の1.3倍だ。交通アクセスの良さからマンションが相次ぎ建設され、人口も急上昇。「新しいマンションの購入層は20代、30代が多く、これから子どもを産む世代が増えている」(区担当者)。日本の65歳以上の人口比率は19年で28.4%だが、中央区は「15%を下回る水準」(同)という。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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