それでもまだ、「俳優として生きていこう」とは思えなかった。そんな中、おかやまさんが30歳ぐらいのときに、三谷幸喜さんが主宰する人気劇団の「東京サンシャインボーイズ」が解散した。

「売れっ子の役者さんが事務所探しをしているのを見て、『あんな人気の俳優さんまで事務所を探している。俺はこの先どうするんだ? もう今更、違う商売もできないし』と。そこから焦って事務所を探しました」

(菊地陽子 構成/長沢明)

おかやまはじめ/1964年生まれ。宮城県出身。大学在学中の87年に鈴木聡率いる劇団「ラッパ屋」に入団。以降、ほぼ全作品に出演している。2018年8月に発表された「日経エンタテインメント!」のドラマ出演数ランキングで、光石研、滝藤賢一、遠藤憲一と並ぶ9位にランクイン。大河ドラマ「青天を衝け」第18回に稲垣練造役で出演。9月はジャニーズWEST桐山照史主演舞台「赤シャツ」にも出演。

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週刊朝日  2021年7月23日号より抜粋