監督 エメラルド・フェネル/16日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/113分 (c) 2020 Focus Features. (c)Universal Pictures
監督 エメラルド・フェネル/16日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/113分 (c) 2020 Focus Features. (c)Universal Pictures
監督 エメラルド・フェネル/16日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/113分 (c) 2020 Focus Features. (c)Universal Pictures
監督 エメラルド・フェネル/16日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/113分 (c) 2020 Focus Features. (c)Universal Pictures

 監督は、独創的な脚本も手がけ、本作が長編デビューとなったフェネル。マリガンの演技も絶賛され、数多くの映画賞を受賞。本年度のアカデミー賞でも、作品、監督、脚本、編集、主演女優の5部門にノミネートされた「プロミシング・ヤング・ウーマン」。

【場面写真の続きはこちら】

 30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、カフェの店員として働いている。実家で両親と暮らす平凡な日々だ。その一方、彼女は、夜ごとバーやクラブにひとりで繰り出し、泥酔したフリをして、自らに課したミッションを遂行していた。

 ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。キャシーに好意を抱いていた彼との、この偶然の再会が、キャシーに恋ごころを目覚めさせる。しかし同時に地獄のような悪夢へと連れ戻す。そして、親友の未来を奪った忌まわしい事件に関わったすべての者への復讐心をも覚醒させることになるが……。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
親友を死に追いやった男たちを憎みながら、その不幸を見て見ないふりした女たちも憎んで衝撃の事件のときのまま精神年齢が止まってしまったような女性の物語。可愛い服に部屋。もうやめてと懇願する親友の母が悲しい。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
マリガンの振り切れた演技、暴力ではなく相手の心に突き刺さるような復讐の方法、予想を裏切ると同時にヒロインの喪失感を浮き彫りにする結末。無意識の偏見や無責任な現状維持への批判も盛り込んだ切れ味鋭い復讐劇。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
最高の復讐エンターテインメント! あんな男いっぱいいる。胸糞悪いけどそれを楽しめるのがこの作品の魔法。冒頭の踊る男性のヒップで鷲掴みに。描き方がカッコ良くて、女性何人かで観に行ったら絶対大盛り上がりだ。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
こんなにストーリー展開が読めず、シーンに様々な意味が込められた作品は稀で、鬼才の作品と分かる。画面作りや衣装がカラフルでポップな意匠に包まれているが、強力なメッセージを覆い隠すためであるのが実に秀逸。

週刊朝日  2021年7月23日号