林:なんか悲しくなっちゃう。私、あれを読んで、本当にショックでしたよ。私も好きな恩師とそういうことがあったら、もう二度と会えないと思う。

桜木:学校の先生といっても“男”なんだと気がついて、あの瞬間に何かわかったことは確かなんです。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木敏雄)

桜木紫乃(さくらぎ・しの)/1965年、北海道生まれ。中学生のとき、原田康子の『挽歌』に出会い、小説家を志す。32歳のとき、「北海文学」や地元のタウン誌に詩や小説の投稿を始める。2002年、「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞。13年、『ラブレス』で島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で直木賞を受賞し、ベストセラーに。『裸の華』『ふたりぐらし』『光まで5分』『緋の河』など著書多数。20年、『家族じまい』で中央公論文芸賞を受賞。近著に『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』。

>>【後編/桜木紫乃×林真理子のガールズトーク「そっちのセイコウね。私、官能出身だから」】へ続く

週刊朝日  2021年7月16日号より抜粋