大手宿泊予約サイト・楽天トラベルのPR推進室によると、宿泊人泊数(宿泊人数×泊数)は、全体で前年同期比約1.8倍増という。

「アウトドア市場はコロナ前から年々拡大しており、その流れともいえますが、密を避けて安心して自然を体験できるグランピングの需要がコロナでさらに高まっていると考えられます」(担当者)

 楽天トラベルは、施設名や宿泊プランに「グランピング」の語を持つ約280事業者の実績をもとに上位20をランキングし、3月末に発表した。上位10位までの施設はいずれも大都市圏から片道2時間以内の距離にあり、「手軽さが人気の理由」(同)だ。

 もう一つ、1位と2位の施設には共通点がある。

「両方ともドッグランがあるんです。ペットと泊まれる宿自体、コロナ前とほぼ変わらない需要を維持していますが、市街地ではワンコを遊ばせることすら自粛傾向にあるので、愛犬家に大好評なんです」(同)

 キャメルゴルフリゾートの児玉さんも「ワンちゃん連れのお客様は19年の倍以上」とうれしい悲鳴。ドッグラン併設はグランピングの大きな武器になっているようだ。

 一方、関西では、ドッグランこそないものの、断トツの人気を誇るのが大阪府の「GRAN CAMPING パームガーデン舞洲 by WBF」。ここは何といっても、「お車なら梅田から30分、難波からだと20分、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは5分弱」(阿部文秀総支配人)のお隣感がウリだ。

「バスもJR桜島駅、大阪メトロ・コスモスクエア駅発があり、思い立ったらすぐに非日常的な夜を楽しんでいただけます。大阪湾が目の前で、今の時期は神戸・六甲山に沈む夕日がとてもきれいですよ」(同)

 エアストリーム12台、トレーラーハウス18台の計30台で客を迎え、3月から11月のオンシーズンは稼働率9割、冬季のオフシーズンを含めても平均稼働率7割超という人気ぶり。

「5月から、ソログランピングプランもスタートさせました。リフレッシュ、リモートワークにももってこいです」(同)

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