丸山茂樹
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日本ツアー選手権でツアー初優勝を決め、喜ぶ木下稜介。2試合連続で優勝を飾り、勢いが止まらない (c)朝日新聞社
日本ツアー選手権でツアー初優勝を決め、喜ぶ木下稜介。2試合連続で優勝を飾り、勢いが止まらない (c)朝日新聞社

 丸山茂樹氏は、初優勝から2試合連続優勝という快挙を成し遂げた木下稜介選手の勝因を分析する。

【写真】日本ツアー選手権でツアー初優勝を決め、喜ぶ木下選手

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 男子に続いて、女子の東京オリンピック代表も内定しました! 6月28日付の世界ランキングで11位の畑岡奈紗さん(22)と27位の稲見萌寧さん(21)です。

 古江彩佳さん(21)は29位、渋野日向子さん(22)は31位で、あと一歩届きませんでした。渋野さんはコロナ禍でオリンピックが1年延びなければ、すんなり代表になってたでしょうね。延びた時間でいろんなことにチャレンジして、思いがけず苦しんだ印象です。古江さんは稲見さんの今年に入って5勝という猛追にやられました。勝負の世界の怖さを実感したと思います。

 東京オリンピックのゴルフは男子が7月29日から8月1日、女子が8月4日から7日まで、埼玉県川越市の霞ケ関CCで開催されます。選手たちは選手村には入らず、ゴルフ場から車で10分以内の一軒家とマンションで生活します。僕たち関係者もゴルフ場にほど近い施設で寝泊まりします。

 さて、国内男子ツアーの「ダンロップ・スリクソン福島オープン」(6月24~27日、福島・グランディ那須白河GC)です。

 木下稜介(29)がプレーオフで時松隆光(27)を下し、2試合連続優勝を飾りました。初優勝からの2試合連続優勝は男子ツアーの日本選手で初の快挙だそうで。初優勝が大きな自信になったんでしょうね。

 勝てそうで勝てない、最終日になるとスコアを伸ばせない……。そんな試合の続いていた木下でしたが、何かコツをつかんだんでしょう。こういうのって、ある程度自分の方程式が固まりだすと、違うパターンで何個か方程式ができあがってきて、「こんなときはこういう感じでいけば優勝できるな」となるんです。

 福島オープンの木下は5打差を追っての最終日でした。前半の9ホールで七つのバーディーを奪って、ハーフでゲンちゃん(時松)をとらえた。このあたりから優勝を強く意識し始めたと思うんですけど、最後まで自分のゴルフをきちんとやってましたからね。やっぱり木下なりに何かをつかんだんだと思います。

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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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