撮影/加藤夏子
撮影/加藤夏子
撮影/加藤夏子
撮影/加藤夏子

 釈由美子さんの初海外進出映画『ロックダウン・ホテル 死・霊・感・染』が7月2日から全国公開された。

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 作品は、あるホテルで殺人ウイルスの感染爆発が起こり、やがて廊下にはうめき声をあげる感染者があふれる。運良く感染をまぬがれた人も、ゾンビと化した人を前に生き延びるための選択を迫られる。釈さんは、臨月間近でたまたまホテルに宿泊した日本人のナオミ役だ。

 実は、本作が撮影されたのは2019年1月で、新型コロナウイルスが世界を襲う前だった。今のコロナ禍の世界を予言したかのようなパンデミック・ホラーで、長編作品としてはデビュー作となるフランチェスコ・ジャンニーニは、本作でブラッド・イン・ザ・スノー映画祭で最優秀監督賞を受賞するなど、高い評価を得ている。

 ただ、釈さんはこの役を引き受けるまでに「戸惑いがあった」という。その理由は何か。また、2019年には自身のブログでパニック障害だったことを告白している。そこから女優として海外進出を果たすまでの道のりを語ってもらった。

* * *
──本作のナオミ役を引き受けるときに、釈さんは「戸惑いがあった」と語っていました。どんな不安があったのですか?

 海外の作品に出演してみたいという気持ちは以前からあったのですが、今回の作品ではマネジャーも同行できず、単身で乗り込むしかなかったんです。セリフだけではなく、役作りも、監督やスタッフと英語でやりとりをしなければならないし、さらに本格的なホラー映画。ちゃんと仕事ができるのかなと、最初は戸惑いがありました。

──英語はどうやって勉強したのですか?

 出演のオファーをいただいたのが2018年の8月でした。撮影開始までは半年くらいあったので、出演すると決めたからには、毎日、英語の勉強と英会話のオンラインレッスンでした。ただ、私は子供がいるので、オンライン英会話は海外にいる先生と朝4時に予約するしかなくて。それでもリビングだと子供が起きてしまうから、ベランダで一人で英語を猛特訓するという日々でした。

 それで、なんとかリスニングと自分の言いたいことは最低限話せるようになったかなと思って撮影地のカナダのモントリオールに行ったのですが、公用語がフランス語だったんですよ(笑)。もう、何を言っているかまったくわからない。しょうがないので、英語で積極的に話しかけて、スタッフの方とコミュニケーションを取るようにしました。

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パニック障害からホラー映画に出演できるようになるまで