いや、もうむちゃくちゃありますよ! 演じている瞬間はそう思わないようにしていて、結構、順調に進んでたんですけど、終盤、急に恥ずかしいという感情が出てきてしまって。一回だけ台詞を言いながら「プ!」っと噴き出しちゃったときがありました。我に返ってしまった(笑)。もともと得意じゃないんですよ。取材とかで「キザな一言を」みたいな台詞を求められたりするのも苦手で。正直でいたいんです。ライブで何か言ったりやったりするのも「サービス」じゃなくて、本当にしたいと思うからする、という感覚でいたい。もちろん、映画の台詞はちゃんと言わなきゃいけないんですけど。

──自分を変えたいと思う瞬間はある?

 全然ありますね。まぁ、変えるという表現が合ってるのかはわからないですけど、成長したいなと思う瞬間はどんな人にもあるんじゃないですかね。非の打ち所のない人間ってほとんどいないと思いますし。でも、自分で自分の悪い点を見つめるのはすごく難しいと思うので、近しい人にアドバイスを求めたり、言葉をもらったりします。

──そういうとき、特に頼りにするのは?

 Snow Manのメンバーの目黒(蓮)くんですかね。グループに入ってすぐぐらいのときからそうです。

──劇中、羽花を守る界が「俺は“石森係”だから」と言いますが、目黒くんは“ラウール係”みたいな感覚ですか。

 そうですね。本人は“係”だとは思ってないと思うんですけど(笑)。僕はそう感じています。今まで僕を守ってくれることもすごく多かったですし、界が羽花を守るときの言葉とか態度……言い回しとかは違うんですけど、目黒くんもこんなこと言ってたなぁ、と原作を読みながら思った瞬間があって。ホントに目黒くんは界と近いものがあると思います。

──役作りの参考にしたりは?

 それはまた違うんですけど、すごく人として影響は受けていますね。

(ライター・大道絵里子)

>>【後編/Snow Manラウール青春ラブストーリーに挑戦 特別感を抱いた海のシーンとは】へ続く

週刊朝日  2021年7月9日号より抜粋