9位の豊田市(愛知県)やみよし市(同)、16位の刈谷市(同)、21位の安城市(同)は、言わずと知れたトヨタ自動車のおひざ元、グループ企業や関連メーカーが集まる地域だ。

 大手メーカーの生産拠点がある地域は、大きな工場や最新鋭の設備、研究施設などを抱えるため、市区町村に納められる固定資産税も増えやすい。

 別荘地や観光地もランクイン。4位に軽井沢町(長野県)、11位に箱根町(神奈川県)、12位に山中湖村(山梨県)などが顔を出した。

 住民の豊かさを知るうえで、総務省の資料をもとにした市区町村民税の納税者あたりの課税所得もはずせない。

 市区町村民税は住民が納める地方税の一つで、住民誰もが納める「均等割」と所得に応じて払う「所得割」がある。ランキングでは、所得の多さを比べるため、20年度に「所得割」で課税された人を対象にした。

 その結果、1人あたりの課税所得トップは港区(東京都)だった。千代田区(同)や渋谷区(同)、中央区(同)など首都の特別区が上位を占めた。関西の、富裕層が多い自治体の象徴、芦屋市(兵庫県)も堂々の5位だ。

 ただし、東京都の特別区などは、区民税の法人分や固定資産税などの一部は都へ納められる。このため、ほかの市町村と同じように財政力を比べにくい面があることも、付け加えておきたい。

 12位の猿払村(北海道)は、人口2700人ほどと少ないものの、ホタテ漁が盛んだ。高収入の人も多いとされる。

 14位の忍野村(山梨県)は産業用ロボットなどの工作機械大手、ファナックの本拠地。社員の平均年収は1千万円超で、村の所得水準を引き上げている。財政力指数でも20位に入った。

 70位の青ケ島村(東京都)は、東京都心から約360キロ離れた孤島。人口200人足らずの「日本一人口が少ない村」だ。

 医療面も押さえておきたい。厚生労働省がまとめた病床数をもとに、市区町村別に人口あたりで比較したところ、壮瞥町(北海道)が1位だった。1千人あたりの病床数は150床を超え、ほかの市区町村を引き離す。

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