林:お若かったんですね。お母さまはご健在ですか。

田原:健在です。89歳です。自分の足で歩きますし、元気ですね。

林:成功を若いうちにみせてあげられてよかったですね。今もごきょうだいとは仲いいんでしょう?

田原:そうですね。みんな甲府にいます。妹もお姉ちゃんもおふくろのそばにいて、毎日、日替わりで“生存確認”をしてます(笑)。だから僕は安心してて。

林:いいですね。ところで、きれいな女の人をさんざん見てきた田原さんが、いまの奥さまを選んだいちばんの決め手は何なんですか。

田原:北海道に仕事で行くとき、羽田空港で雑誌をパラパラ見てたら、「メッチャいい女じゃん。ふーん、『CanCam』のモデルか。あれ? 俺、『CanCam』に連載持ってるじゃん。この子に会おう」と思って、編集長に「何とかならない?」って聞いたら「じゃ、ごはん誘ってみます」って。そこから始まったかな。

林:でも、用心されません?

田原:用心されすぎでした。3カ月ぐらい連絡なかったもん。3カ月してやっと電話が鳴って。

林:結婚後もずっと円満で、選択に間違いなかったんですね。

田原:でしょうかね。何となく円満にはしてますね。

林:お嬢さん二人も成長されて、きれいな奥さんと美しいお嬢さんたちに囲まれて幸せそうですね。……若いときの武勇伝聞いたけど、よそにお子さん、いないですよね。

田原:誰からも言われてないから、いないみたい(笑)。

林:甲府でお姉さんたちがひっそり育ててたりして。

田原:ハッハッハッ……。頑張りましょう、お互いに!

林:頑張りましょう、同郷同士!

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

田原俊彦(たはら・としひこ)/1961年、神奈川県生まれ、山梨県育ち。79年、ドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)でデビュー。共演した近藤真彦、野村義男とともに「たのきんトリオ」と呼ばれ、人気沸騰。80年の歌手デビュー作「哀愁でいと」は75万枚を売り上げ、同年「ハッとして! Good」で日本レコード大賞最優秀新人賞受賞。オリコンチャート1位獲得12回、ベスト10ランクイン38曲。以降、コンスタントにCD発売、コンサート開催と精力的に活動を続け、今月、77作目のシングルで、自身の60歳記念ソングの「HA-HA-HAPPY」をリリースした。

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週刊朝日  2021年7月2日号より抜粋