今回、死亡例が報告された196人のうち大半が接種後、早い時期に亡くなっている点が気になる。3日以内に亡くなったのは82人、1週間以内では151人、8日以上は42人、日数不明が3人となっている。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師がこう指摘する。

「接種から死亡まで1カ月経っていたら医師は厚労省に報告しないかもしれませんが、自然発生的な死亡ならもう少し期間のばらつきがありそうなもの。3日以内の死亡が最も多いのが引っかかります。脳出血や心筋梗塞などで突然死するケースはあるものの、ワクチンは基本的に元気な人に打ちます。因果関係ははっきりしなくても、何らかの関連がある可能性は捨てきれないのではないか」

 現在、日本で接種されている米ファイザー製のワクチンは、30μg(マイクログラム)を3週間隔で2回接種する。予防効果が95%と高いことがわかっている半面、副反応が強く出る傾向が指摘されている。特に、2回目の接種後が顕著だ。

 厚労省は先行接種した医療従事者約2万人を対象に、接種後の健康調査を実施。6月9日に発表した中間報告によれば、2回目接種の翌日に37.5度以上の発熱があった人は35%を超え、全身倦怠感を訴えた人は70%近くに上った。インフルエンザワクチンの場合は発熱、頭痛、倦怠感などの副反応が起きるのは5~10%程度とされているから、コロナワクチンの炎症作用の強さは明らかだ。

「日本は、欧米と比較して副反応が起きる頻度が高い。考えられる原因の一つは、日本人にはワクチンの投与量が多いこと。日本の成人の平均体重は男性約70キロ、女性は約50キロ。米国人は男性約90キロ、女性約70キロですから、コロナワクチンに限っては、体格差を検証する必要があるのではないか」(上医師)

 ファイザーは臨床試験でワクチン投与量を10μg、20μg、30μgに分け、2回目接種後どのくらい副反応が起きるのかを比較した。その結果、発熱や倦怠感、悪寒などは投与量が多いほど増えた。

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