アデランスはこの手法を「ヘアシステム」と呼び、年間約17万円~の定額制の商品も用意している(商品価格のみ、クリーニングなどメンテナンス料は別途)。米国ではすでにヘアシステムが薄毛対策の主流になっており、日本でも利用者がさらに増えると予想される。

 このように、薄毛対策にまつわる技術は飛躍的に進歩した。ずれがないよう毎朝神経を使ってかつらをセットする必要も、風におびえてスプレーで念入りに固める必要もなくなった。千藤さんは、ポジティブな気持ちで薄毛と向き合う人が増えたと感じている。

「今は、髪形もファッションも、若者と中高年の境界がなくなってきました。服をシェアし、着こなしを相談し合う親子も少なくない。そんな中、『若く見られたい』『自由におしゃれを楽しみたい』と、気軽に薄毛のケアを始める方は多いです。家族と一緒にカウンセリングに来る方もいます」

(本誌・大谷百合絵)

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週刊朝日  2021年6月18日号

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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