「090で始まる携帯番号の人はおじさん」


「ニキビができる位置で体の不調がわかる」
「花崗岩は新型コロナウイルスに効く」

 どれもこの1年の間にネットで話題になり、都市伝説化した「噂」である。特に新型コロナウイルスに関しては「お湯を飲むと予防できる」「新型コロナは5Gの電磁波で活性化される」等々の噂がネット上を賑わせた。どれも「ありそう」な話ではあるが、エビデンスは不確かなものだ。

 このうち「090番号おじさん説」が広まったのはこの5月に入ってから。ツイッターでつぶやかれたこの説に、多くの「いいね」がつき、拡散していった。こちらも実際におじさんの聖地・新橋駅前SL広場で実地調査を行った。携帯番号の上3桁を聞いた33人の中高年のうち、23人が「090」、「080」と「070」が各5人と、ほぼ噂どおりの結果となった。

「実際おじさんだし(笑)。今さら変える気もないね」(090番の50代)
「これ(スマホ)は070だけど、自前のガラケーは090。ウチは息子も娘も080だよ」(070番の60代)

 だがこれにはカラクリがある。総務省によると、携帯利用者の増加に伴い、090番号が枯渇した2002年から080番が、さらに13年に070番が割り当てられた。そのため、新規で契約すると、自然と070や080が割り当てられるが、解約された090番が使用できる場合もありうるという。要するに契約時期が新しければおじさんでも070になる確率が高いが、昔からの利用者はほぼ090というわけだ。おじさんに090は多いが、090だからおじさんということはない。

「ニキビで不調の部位がわかる説」は昨年の12月、あるインフルエンサーがツイッターに、自分の顔写真を使ってニキビと体の不調箇所がわかる「ニキビ地図」を投稿したところ、すぐに3万件の「いいね」がつきネット上に拡散した。

 ある皮膚科医師は「ニキビは体の不調が表面化して出てくるものではなく、あくまで顔の皮膚のトラブル。足裏マッサージのツボと違って、思われニキビみたいな都市伝説」と断言した。要するに、ニセ情報なのだ。

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