林:でも、子どもを持つと、「お受験させなきゃ」とか世俗にまみれていきますからね。私はもともと世俗にまみれてるから何をしてもいいけれど、壇蜜さんは俗世界とはちょっと違う存在だから。

壇蜜:林さんはお子さんを育ててるとき、子どもはいちばんの現実だなって感じました?

林:そう。子育て中は、この私がしないことをいっぱいして大変でしたよ。私、最近、引きこもりの子どもを持つ家族の小説(『小説8050』)を書いたけど、今の時代、子どもを持つことは大きなリスクという側面もありますから、大変な世の中になってきたなとつくづく思います。ご主人の漫画家の清野(とおる)さんとも今後のことについてよく話すんですか。

壇蜜:話します。清野さんは私がペットをたくさん飼ってる状況に最初は慣れなかったんですけど、今は「子どものように感じる」って言うんです。キンカジュー(※アライグマの仲間)なんかは「赤ちゃんみたいにヨチヨチ歩きだしてくれないかな」なんて言ったりしてます。

林:そして壇蜜さんがつくった手料理を二人で食べて。幸せそう。

壇蜜:夫婦には必ず裏方っていうのがいますけど、うちの場合は私が裏方なんです。キンカジューのトイレのシートを替えるのも私だし、鳥たちの爪を切るのも私だし、料理をつくるのも私ですから、私が裏方ができてる分、まだ幸せなのかなと思います。

林:五輪はまだ何かと読めませんが、秋田の聖火リレーが決行されたら、走るご予定ですか。

壇蜜:はい、走っちゃいます。

林:私も山梨を走っちゃいますよ。私、最近走ってないから、いまランニングマシンで一生懸命走ってます。

壇蜜:私は祖母が去年亡くなったんですが、ずっと私が走るのを見たいと言ってたので、祖母のためにも頑張って走ります。

林:頑張りましょう、お互いに!

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

壇蜜(だんみつ)/1980年、秋田県生まれ。昭和女子大学卒業後、日本舞踊師範、調理師など数々の資格を取得。さまざまな職種を経験した後、2010年にグラビアアイドルとしてデビュー。以後、テレビや映画などで幅広く活躍する。著書に『壇蜜日記』『結婚してみることにした。』など多数。ロシア版の忠犬ハチ公をテーマにした日ロ共同製作映画「ハチとパルマの物語」(5月28日から全国の映画館で公開)に出演。

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週刊朝日  2021年6月4日号より抜粋