業者に任せる手もあるが、自らできることもある。お掃除サービスで知られるダスキン・サービスマスター事業部の世良博文さんに聞いた。

「シーズン初めには、室外機の周囲や排水ホース、本体のフィルターの掃除を。フィルターは家庭用の中性洗剤でやさしく洗い、本体の周りはホコリをキャッチするモップなどを使います。細かい部分のホコリは綿棒を使って取るといいでしょう」

 掃除は電源を抜いてする。さらに、エアコンを使う前にしておきたいのが試運転。内部にたまっているカビの胞子を排出するのが目的で、窓を開け十分換気ができる状態にしてスイッチを入れ、10分ほど運転させる。

 プロに頼むと、素人にはできないファンや熱交換器などのエアコン内部をキレイにしてもらえる。「ファンに黒ずみが見えたら専門業者に掃除を依頼したほうがいい」(世良さん)とのこと。プロのエアコン掃除は5~6月がハイシーズン。混んでいる時期を避ければ割引していることもあるので、賢く申し込むのがお得だろう。

 最後に、ついつい使いたくなる芳香剤や消臭剤、脱臭剤について。芳香剤はもともと悪臭や香りの不快感を感覚的に軽減させるもの。毎田さんは「ニオイは隠せても、汚れは取れない」と強調する。「毎日掃除ができない人のための、お助けグッズぐらいのイメージでいてください」

 一方、消臭剤は化学的な方法でニオイを消すもの、脱臭剤はニオイの元を吸着するなどして物理的に取り除くものだ。使ってもよいが、やはりニオイの元を絶つことを第一に考えたい。

「気になるのは、芳香剤の使いすぎや重ね使い。消臭スプレーに添加されている香り、ルームフレグランスなど世の中は香り製品であふれています」と光田さん。こうした製品は生活臭を消す一方、体調を崩すなど別のニオイ問題をもたらす可能性があるという。

「本来、清潔にしていればニオイはそれほど気にならないもの。過剰に香りを付けないよう、上手に付き合っていくことが大切です」(光田さん)

※【重曹水・クエン酸水の作り方】
重曹水:スプレーボトルに水100mlと重曹小さじ1杯を入れ、振って混ぜる。*1週間~10日ほどで使い切る

クエン酸水:スプレーボトルに水(あるいはぬるま湯)100mlとクエン酸小さじ2分の1杯を入れ、振って混ぜる。*その日のうちに使い切る

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年6月4日号