風呂で代表的なのは黒カビ。5ミリ程度の黒い点にカビの胞子は千個以上あると言われている。

「カビを除去するには市販のカビ取り剤を使います。黒くなっている部分に泡タイプの溶液を吹きつけたら、ラップで覆って半日ほど置きます。その後、水でよく洗い流します」(松本さん)

 カビが発生する条件は温度(20度以上)、湿度(60%以上)、汚れ、気流(風が通らない)の四つとされる。まずやることは、窓を開ける、換気扇をかける。これでだいぶ湿度が下がり、風通しがよくなる。そこに「ひと手間加えたい」と毎田さん。

「最後に入浴した人が浴室の壁などに冷水をかけておくと、浴室の温度が下がります。その際、水切り用のスクイージーで水滴を払っておくと、より効果的です」

【台所】
 食事の回数が増えるほど増えるのが生ゴミ。ゴミ出しの日は決まっているので、その間は家に置いておかねばならない。何とかならないか。

「おすすめは市販のパンやお菓子の袋。水分をしっかり切り、新聞に包んだ生ゴミをそうした袋に入れ、封をして捨てるという方法です」と、目からうろこの話をするのは光田さんだ。

 生ゴミ入れにはレジ袋やポリ袋を使うことが多いが、実はこうした袋はニオイの分子が透過しやすい。一方で、パンや菓子の袋はパンや菓子を酸化によって劣化させないよう、酸素を通さない構造になっている。よりニオイが漏れにくいというのだ。

 消臭効果を高めたければ、袋に入った生ゴミにアルコールを直接吹きかけよう。異臭を放つ雑菌類の繁殖を、ある程度は抑えられるそうだ。

 魚の生ゴミを処理するときはクエン酸水を使う。魚の生臭さは“トリメチルアミン”という成分などによる。アルカリ性なので酸性のクエン酸が有効という。なければ、レモン汁や酢を水で希釈したものでもいい。

【エアコン】
 しばらく使っていなかったエアコンを動かすと出てくる、あのえもいわれぬニオイ。「まさにカビ臭です」と松本さん。

「エアコンは室内の温かい空気を吸い込んで、それを冷やして送風する機械です。温度差で結露が生じやすく、そこに空気中のカビの胞子が集まり繁殖しやすい。最初に使うときにたまっていたカビが一気に放出されるので、あのようなニオイになるのです」

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