▼野生のスズメって1、2年しか寿命がないみたいです。冬越しに失敗するのが多いですから。できるだけここでエサを食べて、冬越しできるように、という考えで、餌付けをしています。

▽秋にはこなくなります。あちこちに食べ物があるからでしょうね。

▼春も少ないですね。真夏と真冬は多い。真冬は30羽ぐらい来るな。

▽1個師団が30羽くらいと違うかな。それが入れ代わり立ち代わり来ているように思うけど……。

▼エサがなくなるのが速いから、2個師団か3個師団は来てるかな。

──金魚はもともと雅子さんが絵を描くために買ってきたそうですね。

▼沢ガニもそう。絵を描いたあと、めんどうを見るのは、こっちです。朝起きると30分ぐらい、グッピーと沢ガニの世話をします。稚魚をすくって、ほかの水槽に入れて。グッピーはいま、4500匹ぐらいいるかな。

──そういう生活のリズムは大切ですか?

▼一定の時間が流れていると、小説を書く仕事がしやすいですね。コロナ禍で土日のテニスもできなくなっているから、ほんとに毎日毎日、同じ時間が過ぎていきます。

──秋には本誌で小説の連載が始まる予定です。

▼刑事を主人公にして、犯人は退職警官にしようかなと思っているけれど、まだ具体的には考えていません。キャラクターが固まると、小説そのものが動き始めます。

──連載にもよく登場していただく「よめはん」として、こうしてほしいというのはありますか。

▼長生きしてほしい?

▽そうやなあ、長生きしてほしいなあ。

▼マキの世話する人がおらんようになるもんな。

▽それは困るわ(笑)。

▼二人麻雀をもっと負けてほしいとか。

▽それはあるわ。きのうも四暗刻(スーアンコー)上がれなかったし。あっ、ごみを外に出すように。重いから。

▼はい、はい。

▽それからもう少しやせたほうがいいんと違う?

▼そうやね。

▽ねころんでおやつばかり食べるのもやめなさい。

▼はい。

▽それくらいかね(笑)。

──ありがとうございます。

(構成/本誌・堀井正明)

黒川博行(くろかわ・ひろゆき) 1949年生まれ。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。
くろかわ・まさこ 日本画家。京都市立芸術大学日本画科卒。

週刊朝日  2021年6月4日号

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黒川博行

黒川博行

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する

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