高畑:ええっ!

林:でも、60歳過ぎてから25歳年下の人に一目ぼれするって……。

高畑:いや、それはあると思いますよ。私なんかずっと「愛の不時着」のあの方(ヒョンビン)の夢ばっかり見てましたよ(笑)。

林:あ、そういうのはありますよ。私も「北朝鮮に行けばこういう人に会えるかな」って思いました(笑)。でも、たとえば小栗旬さんに一目ぼれして、つき合いたいなと思ったりします?

高畑:は、はい?(笑)

林:小栗旬さんに「つき合って」とか言わないでしょう?

高畑:言わないですよ(笑)。外国旅行するような感覚ですよね。きれいな景色を見て「ここに住みたいな」と思うのと同じで、「小栗旬さんを見ながらフレンチ食べたいな」と思うことはありますけどね(笑)。

林:夫婦って、年とっても老いた夫の後ろに若いときの映像を重ねて生きていくんじゃないでしょうか。ところで、高畑さんは今も青年座にいらっしゃるんですか。

高畑:はい。

林:有名なエピソードで、高畑さんが青年座のマネジャーさんとしゃべってて、「こんなに話がおもしろいのに、芝居はつまらない」って言われたんでしょう?

高畑:それはマネジャーさんだけじゃなくて、スタッフの皆さんも言ってましたね。「ふだんそれだけおもしろいのに、芝居はつまんねえ」って。私、几帳面なところがあるんですね。ダメ出しされたことは一言一句漏らさず書いて、「3歩歩け」と言われたら3歩以上は歩かないみたいなところがあって、言われたとおりやってればお芝居が上手になれると思って。

林:へぇ~、そうなんですか。

高畑:それに期限がありましたからね。四国から出てきて、「30歳になったら帰ってこいよ」という期限が。

林:名門県立高松高校のご出身ですよね。

高畑:名門というか、香川県では進学校ですね。入ってびっくりしました。試験の結果が良い人ばっかりで、東大にも何人も行ってましたね。私は学年のどべ(ビリ)から何番目でしたけど。

次のページ