(撮影/写真部・東川哲也)
(撮影/写真部・東川哲也)

 減便により閑散とした羽田空港第3ターミナル。奥まったイベントホールに人が続々と集まってくる。初来日した日の記念イベントを祝うクイーンファンたちだ。バンド結成から50年経っても、日本のファンのクイーン愛は、熱く燃えさかっていた。

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 1975年の初来日以来、複数回、巻き起こっているクイーンブーム。2018年公開の映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットから続く人気は、20年のクイーン+アダム・ランバートの来日公演を経て、いまだ熱い。映画が6月4日に地上波テレビで初放送されると発表されたときは、ツイッターでトレンド入りしたくらいだ。

 クイーンがバンドを結成して50周年、ボーカルのフレディ・マーキュリーが亡くなって30年になる今年は、記念企画が目白押しである。

 グラビアで紹介した「クイーン・デイ」のイベントもその一つ。昨年は新型コロナによる自粛で延期になっただけに、例年通り、初来日した日に開催決行の発表は多くのファンを喜ばせた。

 ユーチューブでもクイーンの公式チャンネルが結成からこれまでの歴史がわかる動画を週替わりで公開。NHK FMは1年の予定で毎週日曜の夜、クイーンの曲を紹介する1時間番組を放送している。

 書籍も続々と発売された。まずはクイーン公式フォトグラファーのニール・プレストンの豪華写真集。そして、もう一冊は日本のクイーンファンにはおなじみのカメラマン長谷部宏さんの集大成とも言える写真集だ。

 さらには、「クイーン・デイ」のイベントでトークショーの案内役を務めたクイーン研究家・石角隆行さんが執筆した『クイーン全曲ガイド2』も好評だ。

 5月には、全15タイトルのリミテッド・エディションのアルバムCDが日本限定で再発売される。クイーンの曲はすでにアップルミュージックなどの定額配信でも聴くことができる。にもかかわらず、全アルバムを再発売するという異例とも言える力の入れようだ。

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