筒美京平さん (c)朝日新聞社
筒美京平さん (c)朝日新聞社
「好きな筒美京平さんの歌」読者投票ランキング (週刊朝日2021年5月7―14日号より)
「好きな筒美京平さんの歌」読者投票ランキング (週刊朝日2021年5月7―14日号より)

 男の子女の子だったあのころから、あなたの旋律に魅せられて、どれほどWAKUWAKUさせてもらったことだろう。もはや時代遅れの恋人たちとなっても、曲を聴けば思い出がよみがえり、Romantic(ロマンチック)が止まらない。昭和から令和に至るまで、日本歌謡界のトップランナーであり続けた筒美京平さん。希代の名作曲家にして編曲家が亡くなって半年余り。コロナ禍で、そのサウンドが元気を与えてくれる。ありがとう筒美さん、そしてまた逢う日まで。

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 偉大な作曲家をしのんで4月17、18日、東京国際フォーラムで「~筒美京平 オフィシャル・トリビュート・プロジェクト~ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 inコンサート」が開かれた。

 コンサートは、筒美さんの“盟友”とでも言うべき作曲家、編曲家の船山基紀率いるバンドが演奏。野口五郎、郷ひろみ、中村雅俊、稲垣潤一、斉藤由貴、松本伊代、早見優ら豪華な出演者たちが舞台を彩った。

 公演に先駆け、出演者たちが発表したコメントにも熱がこもっていた。

「このイベントを楽しみに筒美京平ワールドを聴きに来られた人たち、そしてそれを天国でお聞きになっている京平先生に、しっかりと届けたいと思っています」(郷ひろみ)

「『卒業』『初戀』『情熱』デビューから、本当に美しく多彩なメロディをいただきました。全て私にとってかけがえのない宝物です」(斉藤由貴)

「僕の声のレンジ(F)をどう生かすか計算ずくで出来上がったドラマティック・レイン。その手法は、誰も真似できないオンリーワンの領域」(稲垣潤一)

 昭和歌謡などを研究しているレコードコレクターの山下めぐさん(20)は、初日のコンサートを訪れた。

「筒美さんの楽曲とともに歌手活動を歩まれてこられた方々が、一堂に会する機会は近年なかったと思います。いま行かないと後悔すると思い、参加を決めました。最大の決定打は筒美さんとともに、多くの楽曲を手がけてこられた船山基紀さんが、歌謡曲を語る上で欠かせないビッグバンド形式でタクトを振られると知ったからです」

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