5月の連休を前にまた緊急事態宣言が発出されたが、これも国の甘えだと指摘する。
「志村さんが死んだときもみんなショックだったけど、今では平気で飲みに行っている人もいる。つまり、戦争の体験を乗り越えたのも同じで、つらいことでもそれに慣れてしまわないと、人は心がつらくなって、精神に異常をきたしてしまうんだと思う。だからおいら、今危惧しているのは自殺者が増えてしまうことなんだよ。心に異常をきたさないようにするためには、気持ちが緩むのも当たり前でね。ただ、思うのは、国民にこういう気の緩みをとやかく言うくらいなら、初めから中国やヨーロッパみたいにロックダウンという手段も考えてよかったかもしれない。緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置とかの甘い方法ではなく、厳しいロックダウンを決断するくらいの勇気が欲しかったって思うね。国はもっとはっきりとしたことをやるべきだったってね。国民が緩んでるんじゃなくて、国が緩んでるのかもしれないよな」
(本誌・鈴木裕也)
※週刊朝日 2021年5月7-14日号