例えば、ラジオ時代の『ナニソレ文』の企画。

「それを再利用して『世界伏字(ふせじ)ニュース』というコーナーを作りました。字を伏せて“ナニ“とか“ソレ”とかに置き換えると普通のニュースがすごくいやらしく聞こえるんですよ。“ナニをこすってアレを出した”みたいな感じで(笑)」
 
 師匠である故・6代目笑福亭松鶴の遺志を継いだ上方落語の継承者としても注目される鶴光。「落語でふざけるのは好きじゃないんです。落語では古典を真面目にやって、ラジオやテレビではしっかりふざける。まるで『ジキルとハイド』みたいやけど、それが楽しい。師匠も弟子がタレント活動することはよく思ってなかったけど、落語さえしっかりしていればそこまで口出ししませんでした。さすがに『うぐいすだにミュージックホール』を出した時は『咄家(はなしか)がストリップの歌なんか歌いやがって!』と破門寸前になりましたけど(笑)」

 硬軟あわせもった絶妙なバランス感が受けるのか、若いファンも獲得しているという。

「ラジオ時代のリスナーが懐かしくて見てくれてるというケースが多いけど、たまに10代の若い子も見てるみたいです。下ネタとかやってて“今どきこんな番組があったのか”という新鮮さを感じてくれてるのかも」

 ラジオの深夜放送に夢中になった世代も、イマドキの若い世代も楽しめる「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン.TV@J:COM」は隔週土曜日の午後10時から90分の放送。J:COMの地域情報アプリ「ど・ろーかる」でも同時配信されている。コーナー『エロリーマン川柳』や『紺野ぶるまの芽吹きました』では視聴者からのリクエストも募っているので“はがき職人”するのも一興だ。(中将タカノリ)

※週刊朝日オンライン限定記事