林:役所広司さんとか天海祐希さん、有村架純ちゃん、菜々緒さんなども何げなくお出になっていて、バイプレイヤーズの皆さんを盛り上げてらっしゃって。
光石:今まで大杉さんと共演なさった主役の方々が集結してくださったんだと思います。大杉さんの遺志を継いで集まったみんなでつくった映画ですからね。
林:いろんな番組のパロディーも出てきて、「半沢直樹」以外の何ものでもない演技をしている方もいて、笑っちゃいましたよ。
光石:あれは僕も「怒られるよ」って言ったんですけどね。テレビ東京だからできたようなもんで。
林:そうそう、この映画の宣伝を見たら、「テレ東だから視聴率を気にしないでやれて楽しかった」とか平気で言ってましたけど、いいんですかね、あんなこと言って。
光石:ねえ(笑)。テレビ版のときから、そういう自虐的なセリフをいっぱい言ってるんですよ。「どうせテレ東だろ?」とか(笑)。
林:映画の現場って、本当にあんなふうに和気あいあい楽しくつくってるんですか。
光石:映画の現場の風景って、当たらずとも遠からずで、あんな感じですよ。
林:それが好きで、ずっとやってこられたんですね。
光石:そうですね。できあがる映画はともかく、現場でどう楽しめるかが一番ですね、僕は。
林:「蒲田行進曲」(1982年)なんか見ると、序列があり、スターの人は下の人にすごく意地悪しますけど、今はスターの人もやさしいし、脇の人とも仲良しなんですか。
光石:そうですね。そういう意地悪な人はいないんじゃないですか。そんなことをしてると仕事がなくなっちゃいますからね。昔はそれが個性だったんでしょうけどね。
林:今はバイプレイヤーの方も主役をなさったりして、主役と脇役を行ったり来たり、境界が曖昧になってますよね。遠藤憲一さんなんかも、このごろ主役をなさってますし。
光石:ええ、たくさんやってます。
林:光石さんも主役をやられることありますよね。
光石:ま、なくはないですけど、ほとんどないです。主役とか脇役って自分で決められるものじゃなくて、いただいた仕事をやるということですからね。