今は大谷にしか理解し得ない練習法やルーティンが存在する。将来、大谷を追うものがまねをし、改良を重ねて、二刀流の在り方もブラッシュアップされていく。松山の偉業、そして大谷の開幕からの投打での輝きを見て、一人の「個」がその種目の将来を大きく左右することを改めて考えた。

 話題を変えるが、日本の試合を見ると、やはり「九回打ち切り」で各球団の監督の采配は変わっている。延長戦を考えずに救援投手をつぎ込んでいけるため、攻撃側も代打、代走の投入時期は早まる。勝負ポイントが六、七回にくることが多い。例年、逆転勝ちの多いチームが出てくるが、今年は減っていくだろう。先制点を挙げたチームの勝率は高まるはずだ。

 そういった流れを変える可能性があるのが外国人選手だ。ようやくチームに合流し始め、今後の順位がどれだけ変動するか。特に、セ・リーグで負けが先行しているDeNAの変わり身に期待したい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2021年4月30日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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