「でも、私のフレーバーに自信が持てるようになったのは、20年歌い続けてきたからこそ……なのかも。10年前だったら、曲の持つパワーにのみ込まれていたかもしれない。歌詞の意味も、今のほうが深く理解できていると思いますし。年齢を重ねて、どんどん、自分のできることを客観視できるようになってきているんです。自分の良さについても、胸を張って言えるようになりました」

 太りやすい体質であることを気にしている彼女は、食事やエクササイズについても、以前から高い関心を持っている。30代になると、節制しなければならないことも多くなっているが、無茶のできた20代に戻りたいわけではないという。

「30代のほうが全然楽しい! 楽しさの質って、年齢とともにシフトするんだなってわかりました」

(菊地陽子 構成/長沢明)

クリスタル・ケイ/1986年生まれ。99年デビュー。「Boyfriend −part II−」「恋におちたら」などのヒット曲でブレーク。2015年にCrystal Kay feat. 安室奈美恵「REVOLUTION」、「何度でも」を含むロングヒットアルバム「Shine」をリリース。19年アーティスト活動20周年を迎え、トニー賞4部門受賞のブロードウェーミュージカル「PIPPIN」の日本版にも出演。読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。

週刊朝日  2021年4月30日号より抜粋