監督 マックス・バーバコウ/9日から新宿ピカデリーほか全国公開/90分 (c) 2020 PS FILM PRODUCTION,LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
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 2020年1月に、世界の映画界が注目するサンダンス映画祭で上映されるや、同映画祭史上最高額で配給権が売買されたことでも話題になったタイムループコメディー「パーム・スプリングス」。監督は本作が長編映画デビューとなったバーバコウ。

【映画「パーム・スプリングス」の場面カットはこちら】

 カリフォルニアの砂漠にあるリゾート地、パーム・スプリングス。妹の結婚式で周囲の幸せムードになじめずにいたサラ(クリスティン・ミリオティ)は、式で自分の窮地を救ってくれたナイルズ(アンディ・サムバーグ)に興味を抱く。彼は一見お調子者だが、すべてを見通したような男だった。

 ところがナイルズを追って奇妙な洞窟に入ったせいで、一度眠りに落ちると結婚式の日の朝にリセットされる“タイムループ”に閉じ込められてしまった! しかもナイルズはすでにループにハマっていて、数え切れないほど同じ日を繰り返しているという。果たして、サラとナイルズの2人は永久に続く時間の迷宮から逃れられるのか?

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
結婚式での男女の出逢い。やがて囚われる“毎日が同じことの繰り返し”の11月9日。その後に来るそこからの脱出願望。繰り返しに疲れても終わらないタイムループのドラマは、ヒロインの決断のあとも11月9日のまま?

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
かなりの時間差でタイムループにはまる設定を生かし、男女の認識や距離のめまぐるしい変化をテンポよくポップに描き、新鮮なラブコメに仕立てている。このループを抜けると、繰り返される日常が少し違って見えてくる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
ファンタジーでありながら、とても大切なメッセージ。こうなったら自分はどう生きるのかを考える。現実ではもらえないもう一度のチャンスをどう生かすか。笑いのバランスも良く、アイデアも好き。気待ちの良い結末。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
とにかく楽しい! アイデアが出尽くしたと思えるタイムループを扱った作品で、まだこれだけ面白くできるのかと感心。たまたまだが、コロナ禍で日常が単調に繰り返されている状況と一致しているのも楽しめる理由。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2021年4月16日号