楽天田中将大が故障で1カ月前後は不在であるが、早川がこれだけ投げられれば、心配ない。涌井、岸、則本昂と順調に回れば大崩れはしないだろう。日本シリーズ4連覇中のソフトバンクと十分に戦える存在だと再認識した。

 セ・リーグについては、このコラムでも中日阪神、広島が頑張って巨人を脅かしてほしいと書いたが、開幕直後をしっかりと乗り切った。阪神は佐藤輝、中日は根尾を我慢強く使い続けることだ。広島も守護神に栗林を起用する。こういった選手がチームの中核を担うようになると、巨人もうかうかできなくなる。

 ヤクルトは新型コロナウイルスの感染者が出て、青木、内川といったベテランが濃厚接触者と判定された。キャンプとは異なり、ペナントレースは日常生活の中で年間を乗り切る。コロナにかかるのは致し方ないことであり、チームで戦う以上、濃厚接触者が出ることも避けられない。

 選手は日常生活から細心の注意が必要で大変である。ただ「コロナで負けた」という球団は少なくあってほしいと思う。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2021年4月16日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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