釣り公園であれば駐車場があり、落下防止柵など安全面も配慮されている。山間の渓谷での本格的な渓流釣りは知識がないと難しいが、キャンプ場などの近くには管理された釣り場があり、釣り具もレンタルできるため、お勧めという。

 コロナ禍の釣り人口の動向について「昨年の緊急事態宣言で減りましたが、解除後はどこも増えています」というのは、日本釣振興会の高橋裕夫事務局長。

 釣り人口は「レジャー白書」(日本生産性本部)に出てくる670万人以上いるとみており、こう話す。

「昔、釣りをしていたことがあり、お休みしていたが最近戻ってきた方や、初心者の方、女性も昔に比べ増えています。子連れの方も増えているようです」

 高橋さんによると、海辺でも駐車場やトイレがあり、管理された釣り施設は有料になる。川や湖など淡水は基本的に漁業権が設定され、入漁料を支払う必要がある。

「首都圏は釣り場が少ない。釣り施設はどこも週末にお客さんでいっぱいになっているようです。休日は入場制限をしています」(高橋さん)

 釣り施設ではコロナ禍で普段よりも釣り客の間隔をあけているという。首都圏には横浜や千葉、熱海などに釣り施設があり、年間に数万人、多いところは10万人規模が訪れる。

 日本釣振興会は釣り客に向けマナー啓発の看板を設置しているが、マナー違反者も続出している。

「釣り客がユーチューブで、いま何が釣れているか紹介すると、人が押しかけてくることもあります。現場にゴミを捨てて帰ったり、違法に車を止めたり、立ち入り禁止区域に入ったりするなど、あちこちで問題が起きています」(高橋さん)

 漁港は漁師の仕事場であり、ルールやマナーを守ってほしいと高橋さんは訴える。「ほとんどは立ち入り禁止になっていませんが、このままだと、せっかくの釣り場が立ち入り禁止になってしまう」とルール・マナー違反に危機感を募らせている。

 マナー違反の釣り客に対して、全日本釣り団体協議会の木村陽輔専務理事も「釣り人はマナーが悪いというイメージができあがって困る」と話す。

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