会話がマスク越しになることが多く、よりしっかり声を張らなければならない。誤嚥性肺炎が心配な人だけでなく、声に不安がある人も、声の質を高めたい人も、トレーニング+お風呂カラオケを実践していきたい。

 声を鍛えておくことはのどを鍛えることにもなり、肺炎球菌などによる肺炎も予防できる。かどた内科クリニック(東京都世田谷区)院長で呼吸器内科の門田篤医師は、「のどは気管支や肺に病原体が入らないようにする関門」という。

「新型コロナもそうですが、のどには多くのウイルスに対する防御機構があり、そこで病原体の侵入をキャッチし、免疫で対応することで、内部への侵入を阻止します。肺に行くほど重症化しやすく、細菌による二次感染も起こりやすいので、その手前で食い止めてくれているのです」

 のどを鍛えるのと同時に行いたいのが、のどのケア。たばこはのどを痛めるのでもちろんNG、水などを飲んでつねに潤しておくことも重要だ。

 年をとると、気管にものが入ったときなどに反応するせき反射も起こりにくくなる。これを改善するには呼吸筋を鍛えることも有用で、腹式呼吸(おなかを意識して鼻から吸って、口から吐く)や、口すぼめ呼吸(口をすぼめて空気を遠くに吐き出す)などがお勧めだという。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年4月9日号より抜粋