ホラン:「キャスターをやってるのに、なんでバラエティーに出てるんだ」と言う方がいるかもしれないですけど、私は今たまたま報道をやらせていただいてるだけで、求められる場所で求められる結果を出して、求められ続ける人間でありたいなと思っています。私は何に対してもわりと才能が中途半端な人間なので、ある意味で専門分野と言えるものがない。だからいただいた現場に一つひとつ、全力で向き合っていこうと思ってやってますね。

林:そうは言ってもキャスターをやるからには、入念な準備が必要でしょう。こないだ木村太郎さんに聞いたら、朝、アメリカのニュース番組を三つ見てからテレビ局に入るって言ってましたけど、ホランさんは?

ホラン:それでいうと私はアメリカのニュース番組はあまり見ないです。夜の番組はけっこう遅くまで見てるんですけど、朝はネットニュースを見て「今日は何がトップに来そうかな」というのを調べて、出社して新聞を読んで、まとまった資料を読んで……みたいな感じですかね。

林:そうなんですか。ちょっと意外でした。

ホラン:以前「NEWS ZERO」をやっていたときに、「わからないということを武器だと思いなさい」と言われたことがあって。テレビの前の皆さんが、朝から報道番組ばっかり見ているかというと、そうとも限らない。だから普通に生活したら何を「わからない」と思うかなという感覚を持っておくのが大事だと思うんです。私がわからないことは、ほかにもわからない人がいるかもしれないので、わかった体(てい)で話を進めないことが大事だと思っています。

林:確かに、その感覚は大事ですよね。番組の中で、失言したことあるんですか。「あ、言っちゃった」みたいな。

ホラン:失言はあんまりないですね。怒られたことってそんなにないです。

林:「私はバラエティーの人間です」とおっしゃったけど、口八丁手八丁の芸人さんともうまくからんでるから、本当に頭がいいんだなと思いますよ。ああいう人たちって瞬発力もすごいし、突然すごいことを言ってその場の空気を変えていくじゃないですか。

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