命令の対象がグローバル社系の店舗に偏ったのはなぜか。担当者は「結果的にそうなった」として、こう話す。

「お客様の来店を促し、飲食につながる人の流れを増大させて市中の感染リスクを高めていることと、緊急事態措置に応じないことを発信していたことで、他のお店に20時以降の営業を誘発するおそれもあることから判断して、そうした店舗に対して命令をかけさせていただいた」

 担当者が言う「発信」とは長谷川社長が自身のフェイスブックなどで時短要請に応じない旨を主張していたことを指すとみられる。これについてグローバル社の代理人を務める倉持麟太郎弁護士はこう指摘する。

「都の命令書にも『緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店の営業継続を誘発する恐れがある』という文言があった。正当な理由と無関係な『発信』を問題視することは、表現の自由の侵害に当たる。政治による恣意的な判断だったのではないか」

(岩下明日香)

週刊朝日  2021年4月9日号