「TOKIO」を熱唱する沢田研二(2015年) (c)朝日新聞社
「TOKIO」を熱唱する沢田研二(2015年) (c)朝日新聞社

 このところ写真週刊誌や女性週刊誌が「引退」「音信不通」などと書き立てているジュリーこと、沢田研二。新型コロナウイルスの感染拡大による影響でライブ再開の見通しが立たず、ファンクラブの解散もスキャンダル好きなメディアに格好の“隙”を与えたようだ。 ところがどっこい、われらがジュリーはすごすごとキャリアに幕を下ろすようなタマではない。

【写真】甘いマスクと歌声で女性を悶絶させたジュリー

 3月11日、ジュリーは一連の報道に応酬するかのように、自身のホームページ(HP)上でファンたちへメッセージを発表した。

「二度目の緊急事態宣言が1都3県に延長発出中ですが、お元気でしょうか? 悩ましく恐怖の日々が続いていますが、今暫くは新型コロナウイルスと共に生きるしかありません。真っ当に畏れましょう。臆病で大丈夫」と改めて注意喚起。そのうえで、「老後の愉しみLIVE!!。老“虎の愉しみLIVE!!」と今後のライブ再開を示唆したのだ。

 ジュリーは、今年元旦にHP上で発表したメッセージ中でも「初夏にはliveが、安心安全に出来ます事を念じつつ」と明記。故・志村けんさんに代わって主役を引き受けた映画「キネマの神様」の上映も控える。事情通のファンや実際に交流のある関係者の間では、「ジュリーに引退する気などないことは言わずもがな」。なのに、なぜ各誌は“でっちあげ”の見出しまで練り上げてジュリーを報じるのか?

 芸能報道に詳しいスポーツ新聞記者のAさんいわく、「沢田さんはファン層が厚く、70歳を超えた団塊の世代から若年層まで名の知れた存在です。各世代からこれほど注目度の高い芸能人は珍しく、取り上げると紙媒体でもウェブ媒体でもそれなりの反響がある。不況が続くメディアにとって沢田さんは“テッパン”のネタなのだと思います」。ネタに困ったときのジュリー頼み、ということか。

 先述のジュリー主演映画「キネマの神様」は当初の発表からは延期となったものの、8月6日に公開予定。それに先立つ4月28日には、「8時だョ!全員集合」「ザ・ベストテン」などTBS系テレビ番組の出演映像を網羅した7枚組みDVD「沢田研二 TBS PREMIUM COLLECTION」が発売される見通しだ。具体的なライブ再開の情報こそないが、コロナ禍の在宅でも楽しめるように、ジュリーなりの配慮や工夫がみてとれる。(中将タカノリ)

週刊朝日  2021年4月9日号