高齢者の「身元保証」代行業でトラブル増加 監督省庁なく実態不透明 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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高齢者の「身元保証」代行業でトラブル増加 監督省庁なく実態不透明

浅井秀樹週刊朝日
※写真はイメージです (GettyImages)

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身元保証など高齢者サポートをめぐる契約トラブルの事例 (週刊朝日2021年4月2日号より)

身元保証など高齢者サポートをめぐる契約トラブルの事例 (週刊朝日2021年4月2日号より)

(週刊朝日2021年4月2日号より)

(週刊朝日2021年4月2日号より)

 身寄りのない高齢者らを対象に身元保証代行業が広がってきた。病院・高齢者施設に入る際、身元保証人が通例求められるからだ。だが、それを条件に拒否してはいけないという国の方針のため、事業者の監督官庁はなく実態は不透明。裁判で公序良俗違反とされた事例も。どうすればいいのか。

【他にもこんなトラブルが… 契約トラブルの事例はこちら】

*  *  *
 身寄りのない高齢者と身元保証を請け負う事業者をめぐり、1月下旬に下された司法判断が注目されている。80代女性がNPO法人と結んだ「死亡時に不動産を除く全財産を贈与する」との死因贈与契約について、名古屋地方裁判所岡崎支部(近田正晴裁判官)が「公序良俗に違反し無効」とする判決を出したのだ。

 判決によると、愛知県安城市の養護老人ホームに入所していた女性は2017年、市職員が施設長だったホームの斡旋(あっせん)で、同法人と身元保証や死因贈与の契約を結んだ。翌年、女性は死亡。同法人代表は女性の預金約620万円の支払いを金融機関に求めたが拒否され、訴訟を起こした。

 死後の事務処理費用は約50万円。近田裁判官は「(約620万円は)暴利であると言わざるを得ない」と指摘した。また、身元保証人を入所条件にしてはいけないという国の通達にかかわらず、同法人が入所者の半数以上と身元保証契約を締結、女性のほか5人と死因贈与契約を結んでいたことも批判。市とホームを運営する社会福祉協議会、同法人の3者に癒着構造があったと認め、請求を棄却した。

 原告の同法人代表は判決を不服とし、控訴した。こう話す。

「事実に反するひどい判決と受けとっています。事実無根のことで、名誉が毀損(きそん)されました。癒着の事実はありません」

 市の担当者も、「癒着構造はありません」「民間同士の契約で、市は関与していません」などと述べた。

 身元保証など高齢者のサポートをめぐる契約について、これまでも国民生活センターに多数の相談が寄せられている。「契約内容をよく理解できていないにもかかわらず、高額な契約をしてしまった」というもののほか、「詳細な説明がないこと」「解約時の返金」などについてもトラブルになっているという。


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