上海、四川、東北といった中国の各エリア、さらに香港、台湾の料理を提供する屋台風の店が軒を並べている。フードコートなので、それぞれの店で好きな料理を注文し、その場で異なるエリアの料理がまとめて楽しめる。

 まず台湾系の店で、台湾風フライドチキン(大鶏排)と台湾風キムチ(泡菜)を注文。飲み物は、隣接している中華食材スーパーで買ってくるシステムだ。外国人客が多いが、日本語は通じるし、メニューに日本語表記もある。もちろん会計は日本円だ。

 料理は本格的で、そのガヤガヤした雰囲気や周囲で飛び交う言葉に気分もアガり、四川料理の店で辛い味付けのワンタンを追加。「どこでもドア」を開けたかのように、台湾から四川にその場でひとっ飛びだ。

 旅情を感じるなら、空の玄関、空港に行ってみるのはどうだろう。羽田空港を訪れてみると、それだけで独特の高揚感に包まれてくるような気がする。ただし、現在は休業中のショップがあったり、発着便や行きかう人の数はいつもより少ない。

 展望デッキでズラリと並ぶ飛行機の機体を見て空の広さを感じたり、十分雰囲気は感じられる。とはいえ、ここから出発する予定がないことで、人によっては逆に寂しさを感じるかもしれないが。

 緊急事態宣言が解除されたからといって、気を緩めずに、自分に合った方法で、春旅気分を味わってみてはいかがでしょうか。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2021年4月2日号