池田市議会百条委員会で証言する冨田市長(手前)(C)朝日新聞社
池田市議会百条委員会で証言する冨田市長(手前)(C)朝日新聞社
冨田市長の結婚式の写真
冨田市長の結婚式の写真

昨年10月、市長控室などに家庭用サウナ、エアロバイク、ベッドなどを持ち込んでいたことが発覚したことで「サウナ市長」とも呼ばれる、大阪府池田市の冨田裕樹市長。現在、池田市議会には調査特別委員会(以下百条委員会)が設置されており、「不適切な庁舎使用並びに公金等の私的流用に関すること」などに加えて、冨田市長の市職員らへの「パワハラ疑惑」についても調査項目に入っている。

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 本誌は、冨田氏が池田市の関係者に対して発した「恫喝」「叱責」とも疑われるパワハラ的な言動の録音データ(YouTubeの「AERA dot.編集部」にて公開中)を入手した。

「思い出すだけで震えます」

 と語るのは、池田市の関係者Aさん。冨田市長とのやりとりについてそう証言した。

 事が起きたのは2020年3月末。突然、冨田市長から電話があった。応答したAさんに対し、冨田市長はいきなり、

「あんた、なにやってくれてんの、ほんま」

 と。けんか腰のような口調で迫ってきた。以下、録音データから冨田市長の言葉を書き起こした。

「あんたなにやってくれてんの、ほんま」
「何をするんや」
「何の話、ちゃうやろ」
「顔出せ、顔出せ」
「黙れ言うてるねん、顔出したらわかるわ」
「おまえな、何が筋違いじゃ」
「嘘つけ、じゃあ何してん?」
「オレが何か筋違いのことやったと思ってんのか」
「なにを怒ってんのかやなくて、なにを勝手に動いてんねん」
「とぼけんな、とぼけとるわ お前ひとりだけがとぼけとるんじゃ」
「あのな、ちょっとええか」

 合計で2分ほどの録音データの中身は、多くが冨田市長による「恫喝」「叱責」ともとれるような発言で、A氏は勢いに押されて、なかなか返事ができない様子が残っていた。A氏は、次のように証言する。

「市議会の問題についてお互いの連絡が不十分で冨田市長が怒っているとわかり、必死で説明しました。しかし、最初はまったく聞く耳を持たない。顔出せとは、すぐに冨田氏のところへ来いという意味。何をされるかわからず、とてもじゃないが行けませんよ。なんとか、なだめて話したら、そういうことだったのかと納得してくれました」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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職員を大声で叱責…百条委でも「パワハラ」証言相次ぐ