シム・ウンギョン (撮影/写真部・掛祥葉子)
シム・ウンギョン (撮影/写真部・掛祥葉子)
シム・ウンギョンさん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・掛祥葉子)
シム・ウンギョンさん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・掛祥葉子)

 昨年、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を外国人として初めて受賞。今年の日本アカデミー賞授賞式では司会を務める、韓国生まれのシム・ウンギョンさん。韓国でトップ女優として活躍するシムさんですが、作家・林真理子さんとの対談では、日本の女優や映画について語りました。

【シム・ウンギョンさんと林真理子さんのツーショット写真はこちら】

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林:私、ドラマ「七人の秘書」も拝見しましたよ。

シム:ありがとうございます。

林:私は脚本を書いた中園ミホさんと仲良しなんですけど、彼女、シムさんを絶賛してました。「惹きつけられる、すごい魅力がある」って。

シム:光栄です。初めての日本での連続ドラマだったので、どんな現場なのか、どんな雰囲気なのかもまったくわからなかったんですけれども、「このドラマのためにみんな頑張りましょう」という雰囲気だったので、私も緊張せずにリラックスした気持ちでドラマの世界に入ることができて、とても楽しかったです。

林:木村文乃さん、菜々緒さん、広瀬アリスさん、大島優子さんたちと一緒でしたけど、共演してみてどうでしたか。

シム:木村さんと菜々緒さんと大島さんは私より少し年上で、私とアリスさんは同い年なんです。同世代の女性の方たちと共演することはあまりなかったので、楽しく撮り終えることができました。

林:今度は「椿の庭」(4月9日公開)という映画に出られるんですね。広告写真で世界的に有名な上田義彦さんが監督と撮影をしてますけど、これ、デジタルじゃなくてフィルム映画なんですね。

シム:はい、フィルム映画です。上田さんのアートの世界を表現するために、昔ながらのフィルムで撮ってるんですね。

林:花が散ったりする様子が、落ち着いた色調ですごくきれい。でも、ほとんどセリフがない難しい映画ですね。

シム:私もこういう映画は初めてでした。

林:シムさんのおばあさん役が富司純子さんで、富司さんの着物姿だとかお茶を飲むしぐさ、掃くしぐさ、まあほんとに美しくて。

シム:富司さんの所作は、本当に勉強になりました。私が演じたのは渚というキャラクターなんですけれど、上田監督は役者さんにまかせるタイプで、「ウンギョンから出てくるものを僕はそのまま撮るからね」とおっしゃったんです。映画の後半にある、おばあちゃんが亡くなった場面は、もともと渚が泣くシーンではなかったんですが、本番になったら手が震えて、ボロボロ泣きになってしまって……。

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