岡本:その理一出身です。私の代の女子率は学年9%です。ただ、小さいころから科学イベント、大学受験の予備校など男子が多いコミュニティーに身を置いてきたので、環境が一変した感じはありませんでした。

東大教授に相談 権利を享受して

紀野:私もそれほど気にしていませんが、女子の友達は作りにくい環境だとは感じます。今の研究室には女性の先輩がいるので、うれしいですね。自分も後輩に心強く思ってもらえる存在になりたいです。

──コロナ禍で大学環境も一変しました。新入生に向け、学生生活を充実させる秘訣(ひけつ)を教えてください。

伊藤:一番のネックは、大学に足を運べず、同級生や先生と会えないこと。授業であれサークルであれ、やりたいことがあれば積極的に自分からコンタクトをしてみるのがいいと思います。

紀野:オンライン授業は通信容量の関係で基本的に学生の顔が映りません。ただし、少人数の授業であればビデオもマイクもオンで、受講者同士が自由に話せる場合もある。知り合いを作れそうな授業を探して受けてみるのも一手だと思います。

岡本:先生にたくさん質問を投げてみてほしいです。東大教授という肩書はただでさえいかめしい。動画でしか本人を見たことがなければ、テレビタレント並みの距離を感じてしまうかもしれません。でも、知的好奇心を持った人をどの先生も歓迎してくれます。教授に相談できるなんてこんなに贅沢な環境はない。積極的に権利を享受してほしいです。最後、ダジャレになっちゃった(笑)。

(構成 本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2021年3月26日号