大量保有報告書などから、山田容疑者の関与していた大阪市内のB社がベースになっていたことがわかる。法人登記を調べると2017年に設立されていた。逮捕容疑となったニチダイの株は「トンピン銘柄」とされ、株価が大きく変動していた。

 2018年1月ころは、600円ほどで推移していたニチダイ。それが、同2月になると3000円を超え、山田容疑者らによる株価操縦があったとされる同3月16日には3980円まで上昇した。

 その日を頂点にニチダイは下落、4月になると1000円台で推移。2000円以上も下がった計算だ。7月には800円ほどとなり、現在は500円前後の株価だ。

「山田容疑者らは、ツイッターなどを通じて、ニチダイの株を買っていることを公表。トンピン銘柄としてニチダイの株は上昇。一方で、買い増す時は『暴落する』などとツイートして、値段を下げていたんじゃないか。今回の容疑は、信用取引で大量に買い付けるには保証金が必要。その規制を逃れようと、市場が終了する直前に安い株価に安定させる操縦をしたとみられます」(前出のベテラン営業マン)

 2018年2月4日の山田容疑者のツイートではニチダイについてこう記している。

<どれもこれも暴落のサインが出てるよ! 俺は買うけどね!!>

 山田容疑者が提出したニチダイの株に関する大量保有報告書には「約50万株保有、保有割合は5,63%」と記されている。報告書によると、17年12月、株価が600円台から買い付けをはじめ、18年2月1日から9日までの6営業日で一気に50万株以上を買い付け、18年3月9日には単価3045円で、30万株以上も売却していたことがわかる。仮に売却単価が3000円として時価総額は10億円にも上る。

 昨年5月には大阪地検特捜部を批判するようなツイートをしていた。

<先月分の売買報告書(大報ではない)がやっと出来た。これを各証券会社の確認印を捺印して貰い財務局に提出。(中略)よく、相場操縦がどうとか皆さん言うが不可能ですからw>

「相場師」は今後、大阪地検にどう対峙するのか?大阪地検は、山田容疑者らの認否については明らかにしていない。(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事