加湿器を使っているときに忘れてはならないのは、メンテナンスと換気だ。

「加湿器の水をこまめに取り換えるのは必須。入れっぱなしにしておくと雑菌やカビが繁殖する温床になります。これらを含んだ蒸気を少し吸い込んだくらいで病気や肺炎にはなりませんが、そういう状態の継続はよくありません。掃除などのメンテナンスも取り扱い説明書に従ってきちんと行いましょう。個人的にはシンプルな構造の加湿器のほうが、掃除が楽なのでおすすめです」(同)

 新型コロナ対策の一つとして挙げられている換気も忘れないように。

「快適な気温と湿度を保ちつつ、1日に数回行いましょう。部屋の中にいて寒さを感じるのが換気の目安です」(同)

 加湿器にはさまざまな方式があるが、どういう違いがあるのだろうか。家電ライターの藤山哲人さんに聞いた。

「加湿速度が一番速いのはスチーム式。内部で湯を沸かすため、その分、電気代は高くなります。次に速いのはハイブリッド式。コロナ禍で換気が推奨されていることもあり、加湿速度が速くて経済的なハイブリッド式が注目されています。特にダイニチ工業の人気が高いです。シャープのプラズマクラスターはウイルス減少に効果があると言われており、こちらも人気」

 藤山さんがおすすめするのはSHE60TD(三菱重工冷熱・スチーム式・税込み実勢価格:1万6500~1万8000円)、「STEM630i」(cado・超音波式・税込み希望小売価格:4万9800円)、「HD-LX1220」(ダイニチ工業・ハイブリッド式・税込み実勢価格:4万3800円)、「KI-NX75」(シャープ・気化式・税込み実勢価格:8万7950円)など。参考にしてほしい。

 気温が上昇するにつれ、花粉の飛散も増えてくる。花粉対策としても加湿器の存在は心強いという。

「室内の空気中の花粉が湿気によって重くなり、床に落ちると飛散を抑えることができます。また、湿度が高いほうが喉や鼻が乾燥しづらくなります。喉や鼻などには粘液に覆われた線毛があり、吸い込んだほこりや花粉を排除する働きがあります」

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