「耳が遠い人」に認知症リスクあり 医師が解説 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「耳が遠い人」に認知症リスクあり 医師が解説

出村真理子週刊朝日#ヘルス

「年だからしょうがない」「聞こえなくても困らない」……そんな認識をもっている人は、難聴からはじまる健康リスクについてご存じだろうか。認知症、耳鳴り、聞こえないことによる会話の減少など、難聴は生活の質に大きくかかわってくる。好評発売中の『「よく聞こえない」ときの耳の本 2021年版』から抜粋してご紹介する。

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 年齢を重ねると、ひざや腰が痛くなったりするのと同じように、耳の機能も衰えていく。これが「加齢性難聴」だ。平均寿命が延びてもからだの機能まではそれに追いつかないため、高齢になればからだの働きが悪くなるのは自然なこと。難聴も、誰の身にも起こることといえる。慶応義塾大学の小川郁医師はこう話す。

「聞こえの低下はQOL(生活の質)に大きく影響します。ところが加齢性難聴は少しずつ進むため、聞こえにくさに気づきにくく、困っていることを実感できない。そして、気づいたとしても『もう年だから仕方ない』と病院に来ていただけないケースも多いのです。聞こえというものは、ただちに命にかかわる問題ではないからか、まだその深刻さをわかっていただけていないのではと感じます」

 しかし近年では多くの研究が進んでおり、聞こえること=耳から情報が入ることは、認知機能など、脳の働きを維持するためにも重要であることがわかっている。

 2017年には国際アルツハイマー病会議で「認知症の予防できるリスク要因のうち、最大のものが難聴である」と発表され、日本でも大きく注目された。

「高齢化に伴い、難聴は今後ますます増加すると予想され、高齢者のQOLを維持するためにも社会全体での難聴対策が必要とされています」(小川医師)

 認知症以外にも、難聴からはじまる健康リスクがある。その一つが「耳鳴り」だ。実は難聴とは深い関係がある。

 耳鳴りの定義は、「明らかな体外音源がないにもかかわらず感じる異常な音感覚」(耳鳴診療ガイドライン2019年版から)。つまり、実際には音が鳴っていないのに、音が聞こえる状態をいう。


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