「オープンデッキのクルーズ船なので、換気も安心ですし、飲食時以外のマスクの着用やアルコール消毒、検温など、対策も万全のうえで開催いたします」(担当者)

 昨春は、自粛が叫ばれるなか、安倍昭恵夫人が有名人らを招いて私的な花見を行っていたことが問題視された。今年も、ワイワイやる花見はのぞまれないだろう。そこで、お花見の名所などに足を運ばず、筆者のように桜を買う【購入花見】という選択もある。

「もちろん、家で楽しむために、どこかの枝を勝手に切ってはいけません(笑)。需要があるからと、ネットのフリマアプリで切った枝を売るのは窃盗です」(西川氏)

 生花大手の日比谷花壇でも、桜関連の商品は、自宅で桜を楽しむ人の増加とともに、注目を集めているという。今年は、つぼみからゆっくり長く楽しめる、鉢植え型の商品の人気が高い。

「外出自粛が続く中、おうちで育て、おうち時間をより充実させるような自宅向けの桜商品が好調に推移しています。テーブルなどに飾りやすい、ミニブーケも人気です」(広報担当者)

 DVDや動画、ライブカメラによる配信、さらにはVRで臨場感ある3D映像など、【映像花見】というスタイルも、今は幅広い選択肢がある。都内のテレビ関係者のAさんは、趣味のジョギングで訪れた先で咲く桜をカメラに収め、それをスライドショー形式で流すことで、お手製の「桜ムービー」を作成して楽しんでいる。

「テレビやパソコンのモニターもいいですが、安価なプロジェクターでも壁に映せば、さらに大迫力で楽しめそうですね」(西川氏)

 コロナ禍の中、ZoomやTeamsといった、ウェブ会議システムを用いた「リモートワーク」が、昨年から一気に浸透した。この機能を活用し、離れた場所から複数でのコミュニケーションが可能となった「リモート飲み」も流行した。花見もリモートで楽しむ、【オンライン花見】の可能性も、ますます広がりそうだ。西川氏は言う。

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