(週刊朝日2021年3月12日号より)
(週刊朝日2021年3月12日号より)
2021年春版 お花見の楽しみ心得 (週刊朝日2021年3月12日号より)
2021年春版 お花見の楽しみ心得 (週刊朝日2021年3月12日号より)

 満開の桜を愛でながら、大勢で酒を酌み交わしワイワイ語らう──。今年もそんな花見は我慢するしかない。だけど、それでもやっぱり春になったら花見がしたい。“新しいお花見”スタイルとは。

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 露店で桜を買ってみた。10センチほどの苔玉に、桜の枝が挿し木のように植えられたもの。

 春が来れば、やはりお花見をしたくなる。しかし、昨春は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう自粛要請を受け、大勢の花見客でにぎわう公園や河川敷など人気花見スポットが閉鎖されたり、花見に関する祭りやイベントも軒並み中止になったりした。

 緊急事態宣言は解除の方向へと向かっているとはいえ、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は、歓送迎会や卒業旅行、そして花見にともなう宴会などの自粛を呼びかけた。都内最大規模の桜祭り「千代田のさくらまつり」をはじめ、都内でも複数の桜や花見に関するイベントの中止がすでに発表されており、2年続けて春の風物詩は我慢ムードだ。

 新しい生活様式にのっとった、“新しいお花見”の楽しみ方はないものか。マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏は、「あくまでも少人数で」という前提のもと、まず【散歩花見】というスタイルを提案する。

「大人数で座って“宴会花見”はできませんが、千鳥ケ淵や目黒川沿い、東京ミッドタウンなど、家族やカップルでそぞろ歩きしながら、花見をするというのが今の楽しみ方ではないでしょうか。夜桜も20時までなら楽しめそうです。場所によっては短時間ならベンチなどに座れるかもしれません」

 桜の見えるレストランの個室や景色の良いホテルのテラスなど、密を避けた空間で楽しむ【隔離花見】もおすすめだ。

「屋外でも、透明のビニールハウスのようなテントやバルーンの中に入ったり、アクリル板の間仕切りで対策した仮設ブースからのお花見もありかもしれませんね(笑)」(西川氏)

 貸し切りクルーズ船で目黒川沿いに咲く桜を船上から眺めなからドリンクやフードを堪能できる「目黒川お花見CHANDONクルーズ」という優雅なプランにも注目だ。プランを展開するアニバーサリークルーズには、家族や仲良しグループなどからの予約が、すでに昨年よりも多く入ってきているという。

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