総務省は菅首相就任時から携帯電話の料金値下げなど難題を突き付けられてきた。菅正剛氏の東北新社の接待は、省内でも知られるようになり、今回、処分された官僚の中には、堂々と秘書に接待の日程調整をさせているものもいたという。

「山田氏も内輪では『官房長官(当時)のご長男に会ってきたわ』『ご長男も素晴らしい』と自慢していた。それが国会答弁では『知らなかった』ととぼけていた。山田氏は飲み会でいくら飲んでも酔っ払わない、著名人に会ったというトピックが自慢話の一つでした。『昨日、〇〇さんに飲み会であった』という言葉は何度も聞いた。政治家に取り入って出世したことが、今回のことで証明されたんじゃないでしょうか」(総務省の元同僚)

 先週末のマスコミの世論調査でも「不支持」が「支持」を上回る菅政権。菅政権の命運を決めるとされているのが、来月25日に行われる3つの選挙だ。衆院北海道2区、参院長野選挙区と参院広島補欠選挙は政治とカネ問題が焦点になることは間違いない。

自民党は北海道で不戦敗、参院長野も負けるだろう。河井案里前参院議員が辞職した広島でも議席を落とし、3連敗したら菅政権は終わるよ」(前出の自民党幹部)

 広島選挙区では自民党は経産省の官僚だった西田英範氏が出馬表明したが、野党が元検事の郷原信郎弁護士を擁立というニュースが永田町で駆け巡っている。

「郷原氏が出馬となれば、互角の勝負だろう」(野党幹部)

 しかし、まだ出馬会見をしていない郷原氏。積極的に擁立を主張する立憲民主党との距離感に苦慮しているようで無所属の出馬も検討しているという。本誌は渦中の郷原氏を直撃した。

「今の段階で出馬についてコメントすることはありません。河井夫妻から違法なカネをもらい、本来は公民権停止で活動ができない自民党の多数の地方議員が選挙で自民党候補を応援するのでしょう。自民党が勝てば、河井夫妻の選挙違反、1億5千万円の問題がなかったようにされかねない。それはどうなのかと思う」

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菅首相が街頭に出れば、マイナス