90歳になって「徹子の部屋」に区切りがついたとしたら、100歳までの10年は全くの自由。もし元気だったら、ずいぶんおもしろいことができると思います。私もそれが今からとっても楽しみ。政治記者になって「総理、どうして昨日おっしゃったことが今こうなんですか」とか聞いたりしたいですね。そのとき、つき飛ばされて転んだりしたら嫌だから、ちゃんと足腰を鍛えておかないとね(笑)。何をするにしても、世の中をよく見て、体が丈夫なら、何かできるんじゃないかと思います。

 それにしてもコロナ禍の今、時々ふっと戦争中に似ているなと思うことがあるんです。遠慮して公に言えないことが結構あるとか。少し前までは、みんなもっと自由に発言していたように感じるけど、このごろ慎重になりすぎているような気がします。発言したい人は発言して、それに反対する人は反対して、みんなで言いたいことが言い合える世の中になればいいなと願っています。

 私たちは自分がやろうと思うことをやれる世の中に生まれてきたんですから、命尽きるまでやってみる必要があると思います。人間ってどこに才能があるかわからないから、やってみたいことがあったら、何歳になってもやってみること。私も90を超えても新しいことに挑戦する気満々です。そうやって考えると、人生楽しいじゃないですか。

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2021年3月5日号

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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