3歳のとき、千葉・鴨川シーワールドで見た白イルカが記憶に強く残り、小学校に入ると生き物に関する本を読みあさるようになった。特に心を引かれたのがクジラだ。

「イルカもクジラも、広い意味では同じグループ。種のなかの多様性に魅力を感じました」

 東大進学が視野に入るようになったのは中学時代。東大大気海洋研究所の佐藤克文教授の著書を読み、「データロガー」という小型記録計で生き物の行動を研究する手法があると知った。佐藤教授の下で研究がしたいと思ったという。

「入学していろんな分野の第一人者に会えるのは楽しみです」

 開智未来高(埼玉)から教養学部に合格した高澤美優さんは、こう喜ぶ。

「どうしても東大に行きたかった。まだ夢なんじゃないかと思います」

 才能発見プログラムという高校の授業で、北アイルランド紛争問題をテーマに選び、3年間研究した。大学に出した書類では、1年時にアイルランドに短期留学し、インタビュー調査した行動力をアピールした。

 東大に行きたいと考えるようになったのは小学6年のとき。韓国での国際キャンプに参加し、外交官に興味を持ったことがきっかけだった。

「外交官は国家公務員。(国家公務員試験で最も合格者が多い)東大に行くのが一番だと思いました」

 高校の部活動では探究部に所属。生徒が各国大使に扮して国連会議をシミュレーションする「模擬国連活動」を通じて、国連職員にも関心を持つようになった。

 趣味は音楽、特に洋楽を聴くことだ。受験勉強でストレスがたまったときには大声で歌って解消した。大学ではケルト音楽愛好会に入りたいという。

 開明高(大阪)から京大農学部に合格した高本明(こうもとめい)さんは、特色入試の面接時に「コロナ禍で頑張ったこと」を聞かれ、とっさに「育児」と答えた。1歳になる姉の子(めい)のことで、勉強の合間に寝転がってふざけ合ったり、追いかけっこをしたりして遊んだ。

「面接官の方は笑っていましたが、今考えるとポイントだったのかなと思います」

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