左から、東大本郷キャンパスの安田講堂、京大の時計台 (c)朝日新聞社
左から、東大本郷キャンパスの安田講堂、京大の時計台 (c)朝日新聞社

 東大100人程度、京大165人という狭き門である学校推薦型選抜(京大は特色入試)の合格者と聞いて、どんな顔が思い浮かぶだろうか。成績優秀であることはもちろん、絵や音楽が好きだったり、試験直前もゲームに熱中していたりなど、さまざまだ。「スーパー合格者」たちの高校生活に迫った。

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 岐阜高から東大理学部に合格した辻圭汰さんは昨年夏、全国の高校生を対象にしたコンテスト「物理チャレンジ2020」でエリジオン賞(最優秀賞)と金賞を受賞した。歴代受賞者は筑波大附属駒場高(東京)など有名進学校の生徒が多い。その中で地方公立校生として健闘した。

 小学生時代、科学雑誌「ニュートン」を読んで宇宙での物理現象に関心を持つようになった。父親は勉強や進路については口を出さず、代わりに「興味を持ったことにはとことん打ち込んで」と言った。高校では自然科学部物理班に所属。将来の夢は物理学者だ。

 勉強の合間にゲームをすることはあるのか聞くと、「やるよりも作るほうですね」。趣味はプログラミング。将棋に近いルールのオンラインゲームを自作したこともある。小説や漫画も好き。都を奪われた王子が忠臣を増やして国を奪還するという、中世の中東をモデルとした国を舞台とした『アルスラーン戦記』がお気に入りだ。

 上京したら、古本屋巡りをしたいという。

「東大周辺は古書店が多い。科学や物理の本を歩いて探し回りたいです」

 横浜翠嵐高(神奈川)から東大農学部に合格した毛防子(けぼうし)璃奈さんの将来の夢はクジラ研究者だ。

 幼いころから海洋生物好き。学校推薦型選抜で提出した書類では、高校1年時に「水槽コンテスト」(新江ノ島水族館主催)に挑戦した経験をアピールした。一般の人が水槽のデザイン・展示を行い、来館者の投票でグランプリを決めるイベント。友人とともに応募し、「作品」を展示してもらえた。入賞は逃したものの、こう振り返る。

「不特定多数の人に作品を披露する経験は初めてで、新鮮でした」

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