そのトップは確認できるだけでも、JRAだけで30頭近い競走馬を所有。


重賞レースによく出走する、強豪馬の名前もある。
Aさんは税理士法人事務所に連絡して、教えてもらった所定の資料を揃えて、持続化給付金をもらった。

「手数料か、アドバイス料か名目は忘れたが、給付金から事務所に2~3割を払いました。私のよく知る厩務員は税理士法人事務所から持続化給付金の対象になる、と誘われたとも言っています。もらった後で、同僚らの間でまずいんじゃないかと言われはじめた」

 JRAの調教師会が、持続化給付金の受給を問題視。昨年11月に返還するように指導していた。またJRAも実態調査に乗り出した。調教助手、厩務員の受給者は100人、総額1億円という報道もある。

「持続化給付金をもらった人は5~6人は知っている。この件がニュースになり、トレーニングセンターでは『俺ももらった』という話を時々聞きます。100人くらい受給したという報道はそれなりに信憑性がある数字。いけないものなら早く返したい」(Aさん)

 一方、疑惑が浮上している税理士法人事務所は以下の見解を発表している。

「ご依頼者様から持続化給付金の受給申請に関するご相談を承り、中小企業庁及び日本税理士会連合会の見解に則って、確定申告書の写し、青色申告決算書等の資料の集約・整理や受給要件の確認等を行うとともに、当法人と連携する行政書士がご依頼者様本人名義の申請手続を支援」

「一部報道を踏まえ、弁護士を加えて行った再精査の結果、改めて適正な手続きであったことを確認しております」

「当法人が支援した競馬関係者等の受給申請は(不正に)該当しません」

 国会の場でも取り上げられた今回の不正疑惑。2月26日にもJRAが農水省に報告するという。
(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事