アルペン会長の水野泰三容疑者(C)朝日新聞社
アルペン会長の水野泰三容疑者(C)朝日新聞社

 東証一部上場のスポーツ用品販売会社「アルペン」(名古屋市中区)は2月12日、強制わいせつ致傷容疑などで逮捕された創業者で会長の水野泰三容疑者(72)が、会長職を辞任したと発表した。

 カリスマ経営者を転落させた事件は昨年11月29日に起こった。

名古屋市の歓楽街にある出会い系カフェで女性と知り合った水野容疑者は、2人でホテルに向かった。

「水野容疑者はホテルで女性に現金10万円を渡して、性交渉を求めた。しかし、食事くらいと思っていた女性は拒絶。水野容疑者は激昂して、女性の首を絞めて、強引に女性を押し倒し、体に触るなど、わいせつ行為に及んだ。なぜか、女性の運転免許証と現金10万円も奪った水野容疑者。
逃げようとホテルの廊下に出た女性に対し、髪の毛を掴んで引き倒すなど暴行を繰り返した。本人は否認している」(捜査関係者)

 被害者の女性はねんざ、打撲など全治3週間のケガ。出会い系カフェで知り合ったので、被害女性は相手の男性が誰かわからず、警察に被害届を出した。愛知県警がホテルに残された防犯カメラ映像を調べたところ、水野容疑者が浮上したという。

 1972年にアルペンを創業し、一代で上場企業に成長させたカリスマ経営者の水野容疑者。年間売り上げは2000億円で、資産も数百億円ともいわれる。アルペンのホームページをみると、水野容疑者個人で700万株超を保有。現在のアルペンの株価は約2298円(2月12日現在)。株の時価総額だけで160億円にも上る。その経営手法も独特だ。

 創業時には大阪の歓楽街にある、南海ホークスのホームグラウンドだった大阪球場をシーズンオフだけ貸切にして、スキー用品を売り出し、大きな利益をあげた。

 働き方改革も20年以上前から始め、全店舗に週休3日制を導入。アルペンが有名になったのはスキー用品なので、岐阜県に温泉もあるスキー場もオープンさせた。格安航空会社、LCCのエアアジアジャパンにも出資していた。

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