これだけの逆風が吹いていながらも、会長の座に居座り続ける様子だ。橋本聖子五輪担当相は4日、森会長に「直接注意した」と明かしたが、進退については明言を避けた。谷口さんはこう指摘する。
「橋本大臣の注意はただのポーズ。JOCの山下(泰裕)会長も森会長にベッタリです。周囲に意見させない体制を敷いてきた。森会長は『ONE TEAM』という言葉が大好きですが、自分中心の独裁という意味で好きなんでしょう」
組織委内部にも、森会長への反発をぼそぼそと話す人はいるが、公然とは口にできない空気が漂っているという。
本誌の取材に組織委は「不愉快な思いをされた皆さまに、お詫び申しあげる。五輪・パラリンピック精神に基づいた大会が開催できるよう、引き続き献身していきたい」と答えた。
森会長は会見で次のようにも述べた。
「皆さんが邪魔だということであれば、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そうしたら掃いてもらえばいい」
「退場」の時期はとうに過ぎているのではないだろうか。
(本誌・秦正理)
*週刊朝日 2021年2月19日号