「clubhouse」のアプリの紹介画面
「clubhouse」のアプリの紹介画面

 音声型SNS「Clubhouse(クラブハウス)」(通称クラハ)の利用者が急増中だ。スマホの音声通話を使って様々な人と、多人数での会話が楽しめるのが特徴。参加するには別の利用者に招待してもらう必要があり、録音や会話内容の公開が原則禁止されているといった特徴がある。

 ITジャーナリストの三上洋さんは、自らを“クラブハウス中毒”と自認するほどのハマりようだという。

「起きている間中、ずっとクラブハウスを聞いていて、先日、テレビの生放送を1本飛ばしてしまいました」

 クラブハウスの魅力の一つは、数多くの著名人が思いもよらない組み合わせで会話をする場面が勃発し、公開されているルーム(会話の部屋)に入ってラジオ感覚で聴いたり、会話に参加したりすることができること。記者がアプリを使ってみた限りでも、歌舞伎役者の市川海老蔵、アーティストのGACKT、作詞家の秋元康といった、誰もが知っているような著名人が参加し、それぞれのルームで会話を繰り広げていた。

 三上さんは、こうしたクラブハウスの姿を「立食パーティー」に例える。

「はじめは、知り合い同士が円卓を囲むように話しているのですが、その中の1人が同じ会場内に知り合いを見つけて紹介したり、近くで聞いている人が『ちょっと混ぜてください』と言って気軽に会話の輪に入ってきたりするような、ネット上の『サロン』のようなものです」(三上さん)

 アメリカ発のクラブハウスは、1月下旬に日本に上陸したばかり。まだiPhoneでのみ利用可能で、完全日本語化はされていない。サーバーが弱い面もあるようで、利用者が集中する夜の21時~24時台は通信が安定しないトラブルが多発しているようだ。

 また、新しいサービスはルールが未整備なこともあり、トラブルがつきもの。三上さんは以下の4つの点に留意すべきだと語る。

(1)招待枠をメルカリなどで売買する人がすでに現れている。電話番号などの個人情報が売買時に流出し、悪用される恐れがある。

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「クラブハウサー」という職業が生まれる?